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「地球のからくり」に挑む [ 大河内直彦 ]のレビューは!?

40代 男性さん
人類が利用してきたエネルギーの歴史から地球のからくりを紐解いた書。地球規模のエネルギーのダイナミックな成り立ちと物質循環をとてもわかりやすく書かれている。お勧めである。人類が今のような近代的で便利な生活が出来る根源は、全て使用するエネルギーとそれに伴う技術発展で説明できる。木材から始まり、石炭、よりエネルギー効率の良い石油、天然ガス、更には原子力と歩んできた。原子力を除く全てのエネルギーの殆どは、大昔から太陽エネルギーと植物によって固定されてきた二酸化炭素や炭素の副産物だ。それを燃焼させることでエネルギーを得ているのが人類だ。勿論、エネルギーを利用することによる副産物として二酸化炭素が発生する。一方、原子力は危険性や放射性廃棄物の処理など、完全に解決されていないままである。人類の生活が豊かになればなるほど負のトレードオフが地球に降りかかる。これから地球と共に歩むために人類はどうあるべきか。大きな課題とヒントを与えてくれる1冊である。

年齢不詳さん
知人の知人の著書ということで、勧められ購入しましたが、地球の資源の話からエネルギーの話、最後は原発事故の話…と、難しい話を平易な文章で、大変面白く読ませていただきました。個人的にはその昔「エネルギー保存の法則」を習った時に原子が一定量なら人が増えすぎたらどうなるんだろう?と単純な疑問を持ったことがありますが、「地球の定員」という項目もあり、なんだか嬉しい展開でした。動物園に行くと「なんでちっぽけな人間が檻の外側にいるんだろう?」と思う、という「賢・面白い」著者、時節柄にもためになる本です!

50代 男性さん
中学生から高校生に読んで欲しい人類の発展の歴史について解説した本です。人類の農業生産や工業生産でどのくらいのエネルギ−消費しているかを解説しています。科学史をエネルギ−消費量から簡潔に説明してくれており、ドイツのハ−バ−の空気中の窒素からのアンモニア合成によって農業に役立つ肥料が出来ただけでなく、第一次世界大戦で大量に必要となった火薬原料にもなっていたというエビソ−ドがいっぱい書かれていて、古い工場の写真ものっており、ドイツの当時の化学工業技術の高さを確認できました。タイトルが「地球のからくり」とあり、地球科学的な、石油や石炭の生成史も書いてありエネルギ−の利活用に視点が置かれて書かれています。 原子力発電が停止している現在、二酸化炭素を出さないで電力を生み出すのはとても大変だと分かる本です。25%削減する政策を実現するのは難しい。